復讐アプリ

「何を言っても無駄だよ」




誰かがそう言って、私の肩をポンと叩いた。




私が肩を叩かれたことにドキリとして振り返ると、そこには死んだはずの友だち、綾香が立っていた。




「理恵は復讐アプリのヘビーユーザーなんだよ。

理恵はもう、憎しみの連鎖から抜け出せないんだよ」




「綾香、お願い。

私を助けて……。

私、復讐アプリから逃れたいよ。

前みたいに普通の高校生に戻りたいよ」




「理恵、そんなことはあきらめて……」




綾香は表情も変えずに、私の顔を見つめると、いつもとは違う冷たい声で私に言った。




「人を不幸にした人が、幸せになっちゃいけないの。

だから理恵も、不幸になる。

まるで、私みたいに……」