復讐アプリ

〈 話は変わるけどさ、昨日、私の塾の先生が死んだんだ。

線路に落ちて、電車にひかれたって 〉




〈 自殺なのか他殺なのかは、わからないみたいだけど。

人が死ぬのって、呆気ないよね 〉




〈 そうそう、私はあの先生が大嫌いだったの。

私は、あの先生が死んでくれて、よろこんじゃった。

だけど、こんな偶然って、あるのね 〉




私は綾香との会話を思い出しながら、あのとき感じた違和感のことを思った。




綾香の塾の先生が、突然、死んだのに、綾香はそのことを少しも驚かなかった。




普通、身近な人が急に死んだら、少しは驚くはずなのに……。




そして私は、綾香がその塾の先生のことが大嫌いだったことも知っていた。




大嫌いだった人の事故死なんて、まるで復讐アプリの復讐のシナリオみたいだ。




そんなことを考え始めると、綾香も復讐アプリのユーザーだったような気がしてくる。




私は何だか気分が悪くなってきて、その日、学校には行かなかった。