「これしかねぇのかよ!」




恭子はまた、怒鳴り声を上げた。




私はその怒鳴り声に怯え、胃がキリキリと痛むのを感じながら、小さな声で恭子に反論した。




「これでも、やっと持ってきたの。

お母さんの財布から抜き取って……」




「こんな金じゃ、すぐになくなるだろ!

ふざけてんのかよ!」




「ごめんなさい……」




私は、少しも自分が悪くないと知りながら、恭子に小声で謝った。