私は理不尽な恭子に、何も言えずにうつむいた。




悪いのは、恭子だ。

私は何も悪くない。




それなのに私は、不良グループににらみをきかされ、金をせびられている。




私は屈辱にまみれ、弱い立場にいる自分が嫌になった。




「早くしろよ、理恵。

金だよ、金!」




恭子は私をにらみつけて、当たり前のように、私に金を要求した。




私はそのとき、泣きそうになりながら、ゆっくりと財布を出した。




そして、財布の中から五千円札を抜き取り、恭子に渡した。