透き通るような琥珀の瞳と、桜色の唇が柔らかく緩んでいる。

 いつも見慣れたその美しさに、あたしの心はふわりと慰められた。

 ……亜里沙。学校中の男子にモテモテの美少女で、頭もよくて、頼りがいのあるしっかり者。

 おまけに家はお金持ち。

 パーフェクトな彼女はいつも自信に満ちて、正々堂々と胸を張ってて、すごくカッコイイ。

 カッコ良すぎて、時々、隣にいるあたしは卑屈になって落ち込む事がある。

 自分と亜里沙を比べて、自分がすごくちっぽけな存在に思えてウジウジしちゃうんだ。

 そんな時は、亜里沙にみっともない自分を見せたくないって意地を張っちゃう。

 凱斗とのことを素直に話せなかったのも、正直にいえばそんな見栄っ張りな感情が理由のひとつだった。

 でもやっぱり亜里沙は、あたしにとって自慢の大親友なんだ。

 だから、最初から亜里沙に全部話せば良かった。

 恥をかきたくないとか、そんなつまんないこと考えないで。