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教室へ入るとすでに何人かの生徒が登校してきていて「藍那ちゃん、大丈夫だったの?」と、声をかけられた。


普段はあまり話をしない子だけれど、こういう時にはとても心配してくれる友達だ。


「うん、今日はもう大丈夫。心配かけてごめんね」


そう言う自分の口調はいつも通りだったので、ホッと息を吐き出した。


「それならよかった。エレナちゃんも心配してたよ」


その言葉にあたしの胸は痛んだ。


一番の親友であるエレナにも嘘をつかなければいけない。


全部自分のせいだとわかっていたけれど、やっぱり心苦しかった。


「おはよう藍那!!」


元気よく教室に入ってきたエレナに、あたしは笑顔を作った。


「エレナおはよう」


「もう大丈夫なの?」


「うん。平気平気」


そう返事をして力コブを作って見せた。


「それならよかったぁ! 昨日のノート写すでしょ?」


「うん」


「ちょっと待っててね、貸してあげるから」