綺麗な顔を洗顔し、化粧しいやクリームを使ってケアをする。


それは素人のあたしが知っている限りの美容の知識だったけれど、たったそれだけで肌の透明感は更に増したように感じられた。


「ちょっとの努力でここまで変わるなんて!」


その驚きをもっと体感したくて、あたしはネットで美容法について調べる事にした。


基礎化粧品の選び方や自分でできる顔マッサージをひたすら印刷していく。


才能は自分の努力次第でどこまでも伸びていく。


そのことを思い出す。


藤吉さんの絵も、あたしの足もそうだった。


最初の持ち主の才能を超えることができた。


と、いうことは。


この顔だって超える事がきっとできるんだ。


ミス日本を追い越すと言うことは、日本一美しい顔はあたしが持つことになるんだ……!


そう思うと、もう止まらなかった。


体に感じていた違和感なんてすぐに忘れてしまい、あたしは自分の顔のケアに没頭したのだった。