☆☆☆

沢山の才能を身に付ける。


そのためにはここで終わるつもりもなかった。


あたしは1日に何度もスマホを確認して、オークションのメールが届いてないかどうか確認をした。


次はどんな才能がオークションに出されるのだろうか?


そう考えるととても楽しみで心が浮き立つのを感じた。


日曜日になり、あたしは軽いランニングをした後自分の作品を出品していたサイトを確認した。


あと10分ほどで締切時間だ。


「500万か……」


あたしは金額を確認してニヤリと笑う。


1つの作品がついに500万円を超える金額にまで成長していたのだ。


今までに10作品ほどを出しているので5000万円は固いところだ。


マラソン選手であるあたしが作ったと言う事で、ネット上ではかなり有名になっているようだった。


これで借金の半分の返済はできたも同然だ。


あとの半分も、今までのテレビ出演料などで十分支払う事ができる。


2つの才能を手に入れると、ここまで簡単に大金が手に入るようになるのだ。


「藤吉さんも、もっと買えばよかったのに」


思わずそう呟いて笑ったのだった。