ー1年後ー



あたしたちはお互い受験ってこともあって

本当に数回しか会うことができなかったけど


そんな我慢する日々ももう終わり。



「芽依、おはよ。」


「紗希と啓介くん。

おはよう。」



「今日で最後か~。

実感ないね。」



「ね。

なんかちょっと寂しいね。」



今日はあたしたちの卒業式。



あたしは春からママの弁護士事務所でバイトし、

結局ママの言われた通り、都内の大学の法学部へ

進路が決まった。


あたしもママみたいな弁護士になるつもり。

それまでは事務所で勉強、かな。



啓介くんは美容師になるため専門。

これもぴったり。



紗希も啓介と同じ学校でメイクを学ぶらしい。




駿くんとは徐々に慣れていって、

今では普通に話せる。


駿くんは相変わらず彼女がたくさんいるけど、

女友達というのはいなかったみたいで

あたしが女友達第一号。


そんな駿くんの進路は看護学校で驚いた。

………女の子たくさんいるしね…。