蕎麦粉を使ったクレープのような見た目のガレットという料理を食べることが出来る、レンガ造りのお店にやって来た。


そこは本当に女子に人気のお店で、レンガ造りの可愛い店構えといい、少ないように見えてけっこうボリュームがある料理といい、店内は私みたいなOLでひしめき合っていた。
そこに1人だけ優くんが紛れ込んでいるから不思議だ。


彼は彼で、初めて来るお店だからかとても楽しげで。
携帯でガレットの写真をパシャパシャ撮ったりしていた。


「美味しそ~!いただきまーす!」


思う存分写真を撮ってから、ナイフとフォークでガレットに食いつく優くん。
なんというか、女子力高めのイケメンなんだよね、彼。


「うぉー、梢!めっちゃ美味いな!」


って、こうやってバクバク食べ進める姿を見ると男らしいんだけど。
無駄に目の前の極上のイケメンを観察しながら、私もガレットを口に運んだ。


「優くんってどれくらい彼女いないの?」


とりあえず会話を弾ませておくか、と思って彼に質問してみる。


おしゃべりが好きな私たちなんだから、沈黙になる訳がなかった。
優くんは少し考えるように眉を寄せつつ、嫌がることなく話してくれた。


「うーん……、かれこれ半年はいないなぁ」

「そんなにかっこよくても間が空くことってあるんだね」

「ねー!自分でもビックリだよ!」


否定しないのかよ、おい。
さすが自他共に認めるイケメンだわ。


「梢は?今の彼氏と長いの?」

「ううん、4ヶ月目だよ」


おっと、カメ男の話題が来てしまった。
ボロを出さないように気をつけなくては、という思いが一気に頭を支配する。