☆☆☆

枕元に置いていたスマホが鳴り、あたしは目を開けた。


時計を確認すると午後4時を過ぎた頃だ。


スマホの画面には颯からの着信を知らせる文字が出ている。


あたしはベッドから体を起こし、うーん、と伸びをした。


よく眠っていたから、頭が随分とスッキリしている。


あくびを1つして、ようやく電話に出た。


「もしもし?」


《純白! 大変なんだ!!》


あたしの『もしもし?』もロクに聞かず、颯の怒鳴るような声が聞こえてくる。


「どうしたの?」


あたしはあくびを噛み殺しながらそう聞いた。


《希彩が事故にあった!!》


「希彩ちゃんが?」


《あぁ。今病院にいる。もう、どうすればいいかわからなくて》


パニック状態で、泣きそうな声を出す颯。


「落ちついて颯。希彩ちゃんの様態は?」


《今、手術を受けてる。大型のトラックに跳ねられたみたいで、状況は最悪だ》