6月13日。


《mother》への集合時間は夕方5時。


あたしは昼ご飯を食べてから家を出た。


いつものファミレスへと向かう足取りは少しだけ重たく感じる。


今日《mother》に何人来てくれるかであたしと優也さんの未来は決まる。


あたしからすれば、まず全員が来てくれなければなにも始まらない。


ファミレスに入ると入口から見える席に優也さんが座っていた。


「こんにちは」


あたしはそう声をかけて優也さんの前の席に座った。


「やぁ、緊張するね」


優也さんの表情は硬く、灰皿には沢山の吸いカスが捨てられている。


「あまり穏やかな様子じゃないですね」


あたしはメニューを見ながらそう言った。


「朱里ちゃんは落ち着いてるね。俺なんかよりよっぽど肝が据わっててすごいよ」


そう言い、優也さんは次のタバコを取り出そうとして、やめた。


「タバコ、吸ってもいいですよ?」


「いや……やめておくよ」


優也さんはそう言い、ほほ笑んだ。