浩太の頭の片隅で、校舎の屋上に行ってはダメだと、誰かが叫ぶ声が聞こえた。




でも浩太は、その叫び声に従うことはできなかった。




〈 夏希がオレを呼んでいるから……。

オレは今夜、どうしても夏希に会いに行かなくちゃならないんだ。

オレたちは、友だちだから…… 〉




浩太は真夜中に家を抜け出し、夏希がいるはずの学校へと歩き出した。