「香澄、お前が授業中に、急に取り乱したのは、夏希のせいか?」




私は和也のその言葉に小さくうなずき泣き続けた。




「でも、どうして夏希が香澄のことを……」




和也がボソリとそう言ったとき、私は泣き腫らした赤い目を和也に向けた。




「わ、私、夏希の日記を読んだの。

夏希は、私に嫉妬していたの。

絶望の中にいた夏希は、恵まれている私を妬んでいたの。

私は、そんなことちっとも知らなかった。

私は夏希のことを小学生のときからの大切な友だちだと思っていたのに……。

和也、私が恵まれていることって、ダメなことじゃないよね。

私が将来のために頑張ることって、いけないことじゃないよね」