死んでもずっと友達だよ

「ねぇ、翔子。

今年も海は楽しいかしら?」




〈 夏希、私に話しかけないで!

私が海になんて行くはずないでしょ!

気味が悪い…… 〉




翔子はようやく下駄箱にたどり着いて、上靴を脱いだ。




もう少しで自分は学校を抜け出せる。




そしたら、夏希ともおさらばだ。




翔子がそんなことを考えながら、上靴を下駄箱に入れようとしたとき、翔子の首を夏希の冷たい手がなでた。




「ひぃぃぃぃ!」




翔子は夏希の手の冷たさに驚き、思わず声を上げた。




〈 しまった……。

私、声を出しちゃった 〉




翔子はそう思って、その場に凍りついた。




「翔子、やっぱり私に気づいてたよね」




翔子は夏希のその声に、無意識のうちに振り返っていた。