「ねぇ、翔子。

最近、グループチャットのメンバーが私に冷たいの……」




翔子は夏希のその言葉に耳を塞ぎたかった。




聞きたくなくても聞こえてくる夏希の声。




翔子は無意識のうちに、足早になり、生きた心地がしないままに、校舎の廊下を歩いていた。




「ねぇ、翔子。

去年、グループチャットのメンバーで行った海を覚えてる?」




翔子は夏希の声を聞きたくないのに、それでも夏希は話しかけてくる。




翔子は心の中で、叫んでいた。




お願い、夏希。

あっちに行って、って……。