翔子が音楽室の蛍光灯を消すと、再び音楽室は真っ暗になり、翔子は不安な気持ちで音楽室のドアを閉めた。




〈 早く家に帰ろう。

やっぱり私は、暗いのが苦手……。

でも、どうして暗闇って、不気味なのかしら? 〉




翔子がそう思って昇降口の方へ歩き出したとき、翔子の後ろから声が聞こえた。




「ねぇ、翔子。

こんな時間に音楽室にいるなんて、忘れ物でもしたの?」




翔子は低く不気味なその声に、ドキリとして息が止まった。