「和也、私は夏希の日記を持って帰ろうと思う。

夏希の日記を全部読んだら、夏希の気持ちも理解できると思うから」




「ああ、そうした方がいいな。

香澄なら、夏希の気持ちを理解してやれるよ」




〈 夏希、私はあなたの心の闇を理解するね。

夏希は誰にも、心の闇を見せずに自殺してしまったから…… 〉




私はそう思って、ピンク色の表紙の日記帳を手に取った。




〈 だから夏希、私が夏希の心の闇を理解したとき、夏希はちゃんと天国に行ってね。

夏希は幽霊のままで、グループチャットに残ってはいけないから……。

夏希はもう死んだのだから…… 〉