私たちは夏希の家に来ると、玄関の前で呼び出しのベルを鳴らした。




でも、呼び出しのベルを鳴らしてしばらく経っても、人が現れる様子はなかった。




「誰もいないのかしら?」




「夏希のお母さんがいても、いいはずなのに……」




「もしかしたら、出掛けてるのかも……」




「そうかもな、でも、帰る前に夏希の家をのぞいてみようぜ」




和也はそう言うと、静かに玄関のドアを開けた。