願いは叶う

照明が壊れ、隣りの家からの明かりが射し込むだけの薄暗い部屋の中で、悪霊たちの姿だけが、青白く光って見えた。


早くこの家から悪霊たちを追い払わなければ、武士がこの家に着いてしまう。


私の大切な人。


私の憧れだった人。


もしもこの人と一緒にいれるならば、私はたくさんの人を不幸せにしてもかまわないと思った。


あの頃の私の心の中で、山村武士の存在が、日に日に大きくなっていき、私は、彼と結ばれることだけを夢見ていた。


だからもう、私は武士を失望させたくはなかった。


元々、釣り合うはずのない私たちが、たくさんの犠牲者を出しながらも結ばれたとき、私は心から幸せだった。


幼い頃、不幸せな自分に思い悩んだ日々が嘘みたいに、私の心は澄んで晴れわたった。


やっと掴んだ幸せ。


初めて知った家族の温かみ。


ついに手に入れた私たち家族の家。


私が悪霊たちを見据えながら、静かに立ち上がると、私の背中から、照明のガラスの破片が、パラパラと落ちていった。


〈 追い払わなくては…… 〉


私は、不気味な笑みを浮かべている悪霊たちを見つめながら思った。


〈 この家から、悪霊たちを追い払わなくては……。

だってこの家は、私たち家族のものだから…… 〉