願いは叶う

〈 お前さえいなければ、幸せになれたはずなのに! 〉


〈 お前さえいなければ、人を憎むことを知らずにいたのに! 〉


〈 お前さえいなければ、切り刻まれる痛みを知らずにすんだのに! 〉


私が悪霊たちに目を向けると、悪霊たちの殺意のこもった目が、じっと私に向けられていた。


〈 お前さえいなければ! 〉


悪霊の不気味な声が、リビングにこだましたとき、リビングの窓ガラスが、音を立てて割れ、リビングの床にガラスの破片が飛び散った。


〈 今度は、お前が地獄を見る番だ! 〉


悪霊が不気味な低い声で、私にそう言ったとき、リビングの照明が、パリンと乾いた音を立てて割れ、砕け散り、私の背中に照明のガラスが降り注いだ。


私は、薄暗い部屋の中で、慌てて体を丸め、降り注ぐガラスの破片から身を守った。


私は、自分の背中にガラスの破片を浴びながら、武士との約束の時間が迫っていることが気になった。


大切な約束の時間までに、私は悪霊たちを追い払えるのかしら?


私には、武士に話したいことが、たくさんあるのに……。


私の背中にガラスの破片が降り注ぐのが止まったとき、私はゆっくりと顔を上げ、前を向いた。