悪霊が部屋から消え去ったとき、私はホッとして両手、両膝を床につき、荒い呼吸を整えた。


私にとりついた悪霊は、復讐を終えるまで、いなくならないつもりだろうか?


あの人たちは、もう死んでいるのに!


あの人たちは、もう幸せにはなれないのに!


私の額からは、大粒の汗が次から次へ流れてきて、私はその汗を右手で拭った。


私は、武士との約束の時間に、二人でちゃんと話せるのだろうか?


またあの悪霊たちは、私の幸せを邪魔しに来るのかしら?


だとしたら、私はそのときどうすればいいのだろう?


私は、フローリングの床に四つん這いになって、動けなかった。


どうすれば私は、家族を取り戻せるのだろうと思いながら……。