その日の十一時ちょうどに、私は一軒のメールを受信した。


〈 私の大切な日に、またメールが…… 〉


私はそう思いながら、携帯電話を握りしめ、今日も送られてきたメールを開いた。


〈 小夜子さん、あなたは今日という日の朝をどんな気持ちで迎えたのでしょうか?

今日はあなたにとって、もう一度幸せな生活が帰ってくる記念日だと思っているのでしょうか?

あなたと武士さんと娘の百合子と、あなたは何事もなかったように、また家族として、幸せな毎日を送るつもりでいるのでしょうか?

だとしたら、もうそろそろ気づいて下さい。

そんなことが許されないということを。

そんな馬鹿げた現実が、あってはならないということを。

大罪を犯したあなたは、死ぬほどの苦しみを味わい、地獄に落ちていくのが当たり前なのです。

あなたがまだ、幸せというものに未練を残しているのなら、その未練を私がバッサリと断ち切ってあげましょう 〉


私はそのメールを見ているだけで、気が狂いそうで、私の携帯電話を持っている手が小刻みに震えた。