私は奇声を上げながら、果物ナイフを振り回した。


そして私が振り回した果物ナイフが、悪霊たちの体をすり抜け、空を斬る度に、私は苛立って周りにあるものをなぎ倒した。


ほんの数分間のうちに、リビングはめちゃくちゃに荒れ、私は手に触れるものを手当たり次第に壊していた。


〈 悪霊たち、いなくなれ! いなくなれ! いなくなれ! いなくなれ! いなくなれ! いなくなれ! 〉


私は一度、幸せになれたのに……。


あの寺田小夜子は、まるでおとぎ話のヒロインのように、憧れていた自分になれたのに……。


私は奇声を上げながら、何度も何度も、悪霊たちに斬りかかった。


〈 私は呪われているのだろうか? 〉


〈 私はとりつかれているのだろうか? 〉


〈 私はもう憧れの自分には、戻れないのだろうか? 〉


私は自分に降りかかった悪夢を振り払いたくて、狂ったように果物ナイフを振り回し続けた。