願いは叶う

「お母さん、でもそれは、何かの間違いじゃないの?」


「いいえ、間違いじゃないの。

私はこの目で、ちゃんと見たの!」


「でも、お母さん……」


「その看護師、私の顔をまばたき一つしないでじっと見てた。

そしてしばらくして、そこの窓がひとりでにゆっくりと開いて、私は思わず、大きな声で叫んだの」


「でもお母さん、そんなことって本当にあるの?」


「本当だよ!」


母の声には、強い響きがあった。


「それにその看護師、よく考えてみたら、私、前にたった一度だけ会ったことがあったのよ」