願いは叶う

「お父さん、私、お家に帰りたい」


ある日の夜、百合子は食事を終えると、数週間ぶりに口を開いた。


武士はそのことに驚き、百合子の顔を覗き込んだ。


「百合子……。

良かった。

百合子がやっと話してくれて……」


武士はそう言って満面の笑みを浮かべた。


武士は買ったばかりの家を出てから、初めて心から笑った。