無防備だった桜井由美は、頭から階段を転げ落ち、階段の踊り場にうつ伏せに倒れた。


私がその様子を見つめていると、階段の踊り場に桜井由美の血が広がり始め、階段の踊り場は、赤く染まっていった。


私は、自分が大変なことをしてしまったことに気づき、膝がカタカタと震え出した。


私は、桜井由美が転げ落ちた階段から後ずさりをしてその場を離れた。


私は誰もいない廊下を走り出し、ベランダにある階段へと向かった。


私は、桜井由美に罰を与えた。


不公平な神様の代わりに……。


私は、ベランダの階段を駆け下り、そのまま学校を抜け出した。


大ケガをした桜井由美は、三日後の卒業式に出られなかった。


桜井由美に大ケガをさせた私は、そのことを誰にも気づかれずに、中学校を卒業した。