願いは叶う

私はコーラの空き瓶を握りしめ、じっと入り口のドアを見つめていた。


この家に……、私たちの大切な場所に、悪霊が入り込んでいる……。


武士さんが仕事の疲れを癒やすこの場所に……、百合子が笑いながら成長していくはずのこの場所に……、お母さんが新しい生活を始めるこの場所に……。


この家を武士さんが買うと決めたとき、私は幸せになれたんだと、心の中で思った。


武士さんと百合子とこの家と、私には人に誇れるほどの大切なものがたくさんある。


私はもう、これ以上は何も望まなくてもかまわない。


だから……。


私は、入り口のドアを見つめながら思った。


あなたたち悪霊は、私にこれ以上、つきまとわないで。