願いは叶う

私が百合子の顔を見つめながら、物思いに耽っているとき、私は、誰かが階段を上ってくる足音が聞こえた気がして、ハッとして顔を上げた。


私は息を殺し、耳を澄ますした。


私の耳に入ってくる窓を叩く雨音。


そして、その雨音に混じって微かに聞こえる階段が軋む音。


〈 間違いないわ 〉


私は、震える手で口元を押さえ自分の耳に神経を集中させていた。


〈 誰かがこの家に入り込んでいる…… 〉


窓を叩きつける雨音に混じって、階段が軋むミシッという音が、一定のリズムを刻んで、私に近づいてきている。


私は、自分に近づく足音が恐ろしくて、百合子の部屋を見まわし、百合子が飲んだコーラの空き瓶を手に取った。


〈 怪しい人がこの部屋に入ってきたら、私は、この空き瓶でその人の頭を殴ってやる 〉


私の鼓動は、速さを増していた。


階段の方から聞こえる足音は、しだいに私に近づいてきていた。