願いは叶う

私のその言葉に、佐々木優子の隣りにいた若い保健の先生の安田聡子が答えた。


「額に擦り傷ができてました。

転んでできた傷かもしれません。

何日間かしたら、治ると思いますが……」


「そうですか……」


私は安田聡子にそう答えると、床に膝をつき、百合子に顔を近づけ、百合子の耳元でつぶやいた。


「百合子、ゴメンね。

あなた、怖い思いしてしまったのね。

あなたは、少しも悪くないのに……」


百合子の顔を見つめる私の後ろの方から、佐々木優子が話しかけてきた。


「お母さん、今回のことには、私も本当に驚きまして、驚いたのは私だけでなく、あの場にいた生徒たちも……」


何か百合子を助けてやる方法はないだろうかと、私は思った。


だって百合子は、何も悪いことをしていないのだから……。


「正直、また今回のようなことがあったなら、私はどうするべきか、自信がありません」


私が罰を受けるならば、理屈に合う。


でも、百合子は……。


「クラスの仲間たちも、正直なところ、百合子ちゃんを怖がっています」