「ありがとう、・・・君がメルダか」

突然自分の名前を呼ばれて、驚くメルダ。

「え・・・?なんで知って・・・・」

メルダがそう言うと、その戦士は顔にかかる髪の間から笑顔を少し見せたあと、くるりと背を向け、部屋へと行ってしまった。

「ちょ、ちょっとまっ・・・・」

その言葉も、賑わう人の前ではもう届いてはいない。



メルダは残された台紙を見る。
カイン=ウィリオネット。
あの戦士の名前だ。

カイン・・・?あんな人、私の知りあいにいた?
なぜ、私の名前を?

戸惑うメルダだったが、この忙しさに追って話す事も出来ず、ただただ謎が残るばかりだった。