そういう日々が続いていたある日の朝に祖母がこれで良いのかと紙袋を渡してきた。


中を見ると黒い覆面が二つ入っていた。


買ってきた物では無くて祖母の手作りだった。


正直嬉しいのが、半分と手作りかという落胆が半分とで複雑な気持ちだったが、それを学校に持って行く事にした。


選択肢はないのだから何も無いよりはましだったからだ。


しかし、二つ作ってくれていたのは嬉しく学校に行くと休み時間に原田にそれを見せると彼は予想以上に喜んだので僕も嬉しくなった。

原田のアイデアで黒の覆面の上から黒のマジックで僕の名前のイニシャルNと原田の名前のイニシャルH額の部分に書き込んだ。



原田のアイデアで、これを被って福永達の所に悪役として乱入しようという事になりそれを実行した。


最初は、僕達の覆面を見た福永が、変なのとか言ったが僕らは気にせず悪役レスラーがやるように相手の覆面を剥がそうとしたりラフファイトを繰り返した。


皆がベビーフェイスのレスラーでいた中での悪役レスラーの登場は新鮮だったのだろう仲間に入れて貰えるようになっていった。


それに僕と原田の連携プレイは完璧で福永達を圧倒し始めた。