その福永が、子供用のミルマスカラスの覆面を買って貰いプロレスごっこの時に着け始めたのだ。


キラキラした銀色のマスクで本物そっくりに出来ていた。


皆驚きと憧れでそれを見ていた。


徐々に福永より安いマスクを親に頼んで買って貰う者が増え始めてほとんどの男の子がマスクを着けているという異常な状況になった。


僕ともう一人だけは、マスクを着けてなかったが…


僕は、決して貧乏って訳ではなかったが、両親と離れていた為に祖母がお金の管理をしていて遊びのお金の関しては厳しかった。


僕にとってその頃の祖母は、厳しく怖い存在だった。


祖父は、まだ仕事に行く事もあり留守にしてる事も多かった為に祖母が僕をきちんと管理していた。


両親が居ない為に人に迷惑をかけるなとか恥ずかしい事をするなといつも言われていた。


今考えたり後で母に状況を聞くと実は祖母は、僕をとても可愛がってらしいし、きちんと育ってたかったらしいのだが、子供の僕には怖い祖母という印象が強かった。


それに祖母は、プロレスを特に好きではなかった為に僕が覆面を買ってと言うと祖母は理解できないらしく駄目だと言った。


それでも、僕は諦めずに学校で流行ってて覆面が欲しいのだと頼んだ。