『そこへトラックが走って来て、その人は亡くなった。遺体はひどい有様で免許証からようやくその人の名前が……』

そこで鏡は言葉を切った。

沈黙が流れる。

「まさか……」

バイクに乗る人を、私は知っている。

16歳になってすぐに免許を取った、って教室でも自慢していた。

『田中哲也。君のクラスの生徒だ』

「そんな……」

のどがカラカラになっている。

今にもしゃがみこんでしまいそう。


哲也まで……。