ドンッ

後ろからぶつかられ、私はよろけた。

「ちょっと、ジャマ」

その声に振り向くと、渚が大きな体にあるその小さい目で私をにらんでいた。

「あ、ごめん……」

脇へよけると、舌打ちをしながら渚が通り過ぎる。

その後ろから美鈴。

最後に、千夏。

「純子のお母さん、死んだらしいじゃん」
耳元に顔を寄せて、千夏は言った。

「……」

何も答えない私に、千夏はほほえむ。

「自殺もさ、呪いの一種なの?」

「……ひどい」