「どういう、人なの?」
えっとー、と顎に手を当てる。
「お姉さまって感じ?
黒髪ショートがすっごく綺麗!
それでね、優しくないように見られやすいけど、本当はすごく頑張り屋さんなんだ」
「そう、なの」
「うん!
そういうところは委員長と一緒だねー」
「っ、」
悪気なく告げられた言葉に心がえぐられる。
まくしたてられるかのごとく告げられた彼女の様子や好きなところ。
一緒なら、私でもいいでしょ、……なんて。
岡村くんの言葉はそういう意味じゃなくて。
似ているところがあるだけで、本物じゃなくて。
だって私は、岡村くんの彼女ではない。
「あ、結局おれ委員長の話、聞いてない!」
「ううん、いいの。
……言いたかったこと、忘れちゃった、から」
忘れてない。
そんなこと、できない。
あなたが好きだと想うこの気持ちは、忘れられないに決まってるじゃない。
だから、震える声には気づかないで。
勝手に傷ついた心には気づかないで。
どうか、お願い。
「ほら、早く彼女さんのところ行ってあげなきゃ」
「あ、そうだね」
「じゃあ……」
「うん、また明日ねー!」
手をぶんぶんと振った彼に自分も振り返すことはなく。
椅子に深く腰かけたまま、曖昧な笑みで見送った。

