「写真?」


あたしより先に、若菜がそれを手にする。


「写真?写真がどうかしたの?」


「これに見覚えないか?」


問いかけたあたしに、壱冴は若菜から奪い返したそれを突き出した。


「……?」


それは写真の切れ端のようで、ベビーカーに乗った赤ちゃんが映っている。


「ガキたちが、園の昔のアルバムを引っ張り出してんだよ。そこに挟まってたんだ」



これが……なにか?


ゆっくりと、目を落とす。



「……あ」


ぼんやりだけど、壱冴の言うように、どこか見覚えがあって……。