昼休みになると同時に弁当を持って、教室を抜け出す。

向かうは屋上だ。



仁葉たちと食うようになる前は、いつもここで食っていた。

そのはずなのに、今じゃアスファルトに座りこむ感覚に違和感しか感じない。



だけど、仁葉の秘密を知ってから、崩れてしまった関係は元に戻る気配がない。



仕方がないと、扉のそばの日陰のところに腰を下ろした。



「あっつ……」



うだるような暑さに顔をしかめつつ、弁当を広げた。



その時、ガチャ、と扉が開く音がして、



「……あー」



同じく弁当を抱えた梓が顔を出した。



「また来たのかよ、お前」

「仕方がないじゃない!
……食べる場所がないんだもの」