降り注ぐのは、君への手紙


宮子が自分の話をしてくれたので、僕も自分の話をしながら、花壇から古い木を抜き、土を耕した。
お互い父を亡くし母の面倒を見ている、というところで僕たちは共感するところが多々あった。


「ひまわりの種を入手するのは大変だったぞ」

「そうなんですか?」

「日曜まで間に合わせようと必死だった」


心が踊るようだった。
憧れの人と再び会えたことも、彼女とこんな風に会話出来たことも。


「毎週水をやりにきます」

「無理をすることはない。きちんと私がやっておくから。現場が変わればまた別のところに行くのだろう?」

「でも僕はひまわりが咲くのを見たいので来ます」


勝手な宣言だった。
しかし、宮子は毎週僕が来るのを待っていた。

本を読みながら花壇の傍に座る彼女が、走ってやってくる僕を見て笑いかける。

その度に、心は軋んで苦しくなった。

毎週、毎週、募っていく想い。

もう憧れなどと呑気なことは言えなかった。

これは恋だ。
自分なんかでは釣り合わない人だと思っても、気持ちは止められなかった。

せめて少しでも追いつきたいと、僕は彼女から本を借りることにした。
僕の頭はあまり良くない。だから勉強しようと思ったのだ。

借りた本でわからないことを翌週に質問する。
宮子は嫌がりもせず教えてくれた。