降り注ぐのは、君への手紙


「起きれるわけ無いだろ」

「そんなことありませんよ?」


答えたのは郵便局の男だ。俺は振り向いて男を見やる。
すると鏡は目的地を見失ってしまったのか画像が揺れ、やがて消えてしまった。

あわあわしている俺に、男はすました顔で問いかける。


「あなたここにどうやって来ました?」

「え? いや、知らないうちにたどり着いてたんだけど」

「その間に川を渡ったとか鬼を見たとか」

「いや、全然?」

「でしたらまだ死んでないのだと思いますよ」


サラリと言われ、その意味を考える。

死んでないってことはなんだ。

現実の俺は何処にいる。
意識不明の重体とかいうやつになっているのか?


「死んでないなら戻れるのか?」

「さあ。わかりませんけれど」

「なんだよ、それ」


思わず男の胸ぐらに掴みかかっていた。
男は苦しそうに顔を歪めると、その外見からは予想もつかないほど強い力で、俺を引き離した。

「野蛮な人ですねぇ。ここは普通お亡くなりになられた方が来られるんですよ。
黄泉国郵便局は三途の川とも極楽とも地獄ともつながっているんです。
現世に強い思いの残した人が呼び寄せるとも言います。
大抵の方は成仏する前に無念を晴らすためにいらっしゃるからです。
しかし、あなたが迷い込んできたということは、他にも隠された道があるのでしょう」