降り注ぐのは、君への手紙


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「……そうか。俺車にぶつかったんだった」


話しているうちに記憶が戻ってきた。

ふらふらと彷徨っていた気がするのはそのせいか。
三途の川とか渡った覚えもないんだが、いつの間にか通ってきちゃったのかな。

じゃあここは天国なのかな? 
俺天国に行けるくらいいいやつだったのか

うんうんと一人頷いていると、男は呆れたように笑った。


「で。お手紙は書けそうですか?」

「あ。そうだな」


本当は、謝るつもりだった。

そしていくら時間がかかってもいいから俺を見ろって。
怖がらせた分だけ、これからは大切に優しくするって伝えたかった。


でも俺には、もう時間がないんだな。


「……決めた」


心を決めて鉛筆に力を込める。


「どうぞ。今のあなたのお気持ちを素直に書いてください」

「ああ」


【謝ったりしないから。】


かきながら、睨むように見つめてきた成美の姿が思い浮かぶ。
怖いのと悔しいのの中間みたいな顔で、口を真一文字に噛み締めて。

そうだ。
自分でふんばれ。

俺はもう、何も出来ないから。