降り注ぐのは、君への手紙



 冬が終りに近づき、成美の卒業の日が目前となる。
時折吹く暖かい風に背中をおされる感じで、ようやく俺は心を決めた。

いつまでも消えない成美の泣き顔を頭にとどめておくなんて無理だ。

ちゃんと謝って、そして伝えなければ。



怖がらせてゴメン。
でも、未来のないあんな親父のことは、いい加減諦めろ。

お前は綺麗だし、ちゃんとしてればモテるんだから。
もうそんなダサい格好はやめて、幸せになることを考えろよ。

痴漢にあうのが怖いなら、
俺が幾らでもボディガードしてやる。

って、痴漢めいたことをしたのは俺だけど。

ごめん。
もう二度としない。

誓うから。
だから、傍にいさせてくれないか。

お前の気持ちが変わるまで、俺はのんびり待つから。
欲求不満が溜まっても、もう二度と無理矢理なんてしないから。

お前にとっても、それがいいって思わないか?

だって、
お前好みの渋い親父になれる可能性が一番高いのは俺だぞ?

なんてったって俺は、親父似なんだからな。



「……振られそうな決め台詞だな」


そもそも決め台詞になっているかどうかも怪しいが。

もうこれ以上は頭がまわらない。俺はバカなんだよ。

こんなこと言ったら、きっと変な顔をされてフラれる。
でもそれでも、伝えないよりはずっといいはずだ。

恋愛の終わりは怖いばっかりじゃないぜって、俺が身を持って証明してやる。