降り注ぐのは、君への手紙



しかし願っただけで簡単に死ねるほど、人生は甘くないのだ。

結局帰るところは自分の家しかなく。電車も無くなった真夜中に、俺は棒のようになった足を引きずりながら自宅へと帰った。


 翌朝、連絡もせず深夜まで何をしていたのだと叱られたが、成美のことは何も言われなかった。

考えてみればアイツが言いふらすはずもない。
俺に無理矢理キスされたなんて、好きな相手に知られたくなんかないだろう。


それから、再びいつもの日々が始まる。

毎日彼女を見かけて、謝ろうかどうか躊躇して。

あんなふうに泣かせてしまってから何を言っても言い訳にしかならない気がして、彼女を呼び止めようとした俺の声はただの空気の塊となって消える。

そのうちに、彼女と会えば俺の方から避けるようになってしまっていた。


俺は悩み、成美のことなんか忘れちまおうとクリスマス前に告白してきた女の子と付き合ってみたりした。

だけど、結局は好きな女じゃなければ何かしてやりたいなんて思えないんだ。

クリスマスも初詣も、何の提案もせずにいたらあっちの方が先に愛想を尽かした。

バカじゃねーの、バカ過ぎる。
俺って最低の男だ。