降り注ぐのは、君への手紙

**


そこまで一気に語った成美は、俺を軽く睨んだ。


「……起きたって聞いて、ホッとしたの。早く顔見たかったのに、武俊くん逃げるんだもん」

「悪かったよ。だって、その……情けねーだろ。ひょろくなっちまって」

「ずっと寝てたんだから仕方ないじゃない。そんなの気にするなんて、武俊くん子供だわ」

「なんだと?」

「だってそうでしょ? 私達がどれだけ心配したか少しも分かってないんだよ。人の気持ちを察せれないって子供じゃない」


それはまさに正論でぐうの音も出ない。
まさか成美から説教される日が来るとは思わなかった。


「あー分かった分かった。どうせガキだよ、俺は。小学生並みだよ」

「そこまでは言ってないじゃない」

「でも本当だ。好きな子にも意地悪しか出来ない」

「え?」


キョトンとする成美を前に頭を下げる。

もう勢いで言っちまえ。
かっこつけようったって無理だ。
もともと、成美のほうが賢いんだし、今更恥ずかしがってても仕方ねぇじゃん。


「好きなのに泣かせてばかりだった。……ごめん」

「……私?」


成美は目をパチクリして自分を指差す。

お前以外に誰がいるんだよ、鈍感女。
少しは空気読めよ。

俺は頷いて、でも照れくさいのでそっぽを向く。


「お前が悪いんだぞ。歳の近い男がこんなに傍にいるのに、親父に熱をあげられたらイヤでも気になる。俺は……」


指でそっと成美の髪をつかむ。手を緩めるとサラサラと滑って流れていく。


「自分の力で、成美を今みたいに綺麗にしたかった。……まあ自分でなったみたいだけどな」


成美は髪を押さえて、クスリと笑う。


「……ううん。これは武俊くんのおかげだよ?」

「え?」


成美は立ち上がると俺と向かい合い、その全身を見せるように手を広げた。