降り注ぐのは、君への手紙

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「……すみませんでしたね。お呼び立てして」


木造の郵便局、現世を写す鏡の前には、この郵便局の主であるヨミと今は天道の住人である妃香里がいた。


「いいえ。こんな武俊くん、私でもイライラしちゃう」


妃香里はヨミの手にあるハンコの押された便箋を見つめた。

「助けてください、妃香里さん」とヨミに呼び出され、現世に復帰した武俊を見ての叱咤の言葉が綴られている。


「私が自分の意志を手紙に反映させることは許されていないんですよ。もどかしいもんですね。実行に移すのは自分なのに、自分の気持ちは伝えられないんですから。でもあなたをお呼びしてもあなたが心から望んでくれなければ手紙は送れない。イチかバチかの賭けだったんです」

「ヨミさんの気持ちが私の気持ちと一緒で良かったですね」

「そうですね。予想通りの雷です」

「叱りつけてやれて気分良かったです、私」


ふふふと笑って小首をかしげた妃香里は、郵便局内を見渡して寂しげに笑う。


「武俊くんがいないと、なんか広く感じますね。ここ」

「そうですね。態度の大きな人でしたし」

「それに、ヨミさんが前より元気が無いです」


妃香里の茶化すような声に、ヨミは苦笑を返す。