降り注ぐのは、君への手紙


その後、部屋にこもった俺を、親父がやんわりと叱責してきた。


「成美ちゃんは心配してくれてるんだぞ。何恥ずかしがってるんだ」


うるせぇ。
知ってるよそんなこと。

大人になって叱られることなんて、殆どが頭では理解していることばかりだ。

でもできねぇんだから追い打ちかけんなよ。
俺だって好きで逃げたわけじゃねぇ。

親父の小言が聞きたくなくて、俺は部屋の扉に鍵をかけ、イヤホンをつけて現実の音を遮断する。
そんなガキみたいな行動に、内心ではますます落ち込んだ。


完全なる負のループだった。


成美を避け続けながら、ゆっくりと日常生活を取り戻していく。

俺は今年度の講義の登録さえしていないので、大学復帰は四月からの予定だ。
だったらバイトに戻るかとも思ったけれど、いまいち人前に出る勇気が持てない。

マスターと約束したのに、こんなところで足踏みしている。
それも俺の心に、重い影をかけていく。

すっかりがんじがらめになってしまった俺は、昔より無口でとっつきにくい男になってしまった。

大学の友人達にも今の姿を晒すのが嫌だった。
それでも、せめて日常の動きには慣らさないといけない。

俺はしばらく市の図書館に通うことにした。
家から図書館は結構距離があったので、歩いて行くといい運動になったし、タダで暖房が効いている場所にもいられる。