「それに、翌日だったか、親父さんがちゃんと連絡くれたぜ?」
「そっか、ならいいけど」
さすが親父。きっちりしてるな。
「それにしてもなんか面変わりしたよな。タケなのに日に焼けてないとか変な感じだ」
「仕方ねーじゃん」
ひとしきり他愛もない話をした後、マスターは居住まいを正して俺に問いかける。
「あのな。……タケが戻ってくるって思ってたから、他のバイトを雇ってないんだ。もし良ければだが、色々落ち着いたら復帰しないか?」
「……マスター」
さすがにこれにはジーンと来て、親父にもおふくろにも見せなかった涙がポロリとこぼれた。
「お前の珈琲のファンもいるんだよ。タケはどうしたっていう常連客も沢山いる。な、頼むよ」
「……ん、ありがとうございます。日常生活が出来るようになったら、バイトも復活します」
「慌てなくてもいいよ。道楽のような仕事だしな。……でも、待ってるからな」
迎えてくれる人がいるってのはありがたい。
俺は彼の珈琲に何度救われただろう。



