ドーナツショップで、間接キスにドキドキしたのは事実だ。
だけど、ここにいるのがどうして響ちゃんじゃないんだろうと、ふと考えてしまった。

それが平松先輩に失礼だと、わかっていても。


あふれる涙を拭うのも忘れて、窓から見える響ちゃんの部屋を見つめる。


響ちゃんはもう帰っているのだろうか。
いや、もうあんなふたりを見たく、ない。


着替えるのも忘れてベッドに飛び込むと、グチャグチャになった頭の中を整理しようとした。

響ちゃんが好きなのは、和代先輩。
そして、私が好きなのは……。


「無理だよ」


平松先輩との付き合いを承諾すれば、少しは吹っ切れるかもしれないと思った。
だけど……私の頭の中は、いつまで経っても響ちゃんで埋め尽くされていた。