課題や友だちに最近あった出来事、今日までの夏休みはなにをしていたか。

そんなたわいもない話をポツポツと言い合いながら花火をしていき。

気づけば残りは打ち上げ花火と線香花火のみとなった。



もちろん締めは線香花火。

先に打ち上げる準備をする。



「危ないからちょっと離れてろよー」

「はーい」



いい返事で1歩、2歩、3歩。

夏目は後ろに下がる。



俺は火を着けるために、その場にしゃがみこんだ。



ふと、夏目の方に目をやると、ぱちりと目が合った。



今日は存在感どうした⁈ ってくらいいつも以上に人とぶつかったり、躓いたりしていた夏目。

りんご飴に瞳を輝かせた夏目。

ヨーヨーを無邪気に突いた夏目。

花火にはしゃいでいた夏目。

数え切れないほどのドジをした夏目。

やっぱり背中の伸びた、夏目。



























「俺、夏目が好きだ」




















────ああ、うん。そうか。

俺、ずっと夏目のことが好きだったんだ。