セドナは呆れたように片手を広げて話していたが、途中で我に返ると焦った顔つきでニコの腕を叩いた。
「勝手に話していたのはセドナですよ」
ニコはセドナと対照的に冷静に正論を口にしたが、案の定、
「うるせえ!」
の一言とげんこつで片付けられた。
前を向くセドナのつむじを見てから、ニコは自分の頬にそっと触れてみた。
ティファニーたちのそれと同じ感触が指から電子頭脳へ送られる。
(表情、か……)
言われてみれば、自分はセドナやティファニーたちのように喜怒哀楽を表現していないと思う。
ただ、強い怒りを感じたときは目つきに現れていたようだ。
どうしてその感情だけなのだろう、喜びや快楽の感情は現れないのだろう。
ゴーレム故のことなのか、はたまた別の何かが原因なのか、考えてみてもニコには分からなかった。


